運命を。
ネクタイの色から見て、3年生。

『あ、すいませんっ』

私がそう言うと、彼は、

「いいよ。てゆーか大丈夫?おでこ、打ったでしょ?」

先輩は優しくおでこを撫でた。

よくよく顔を見てみると、どっかで見た顔。

誰だっけ…?

「佑麻ぁ~!何やってんの~?」

すると、3年生の女子の先輩たちが現れた。

(…佑麻っ?)

聞き覚えある…。

『…こ、古泉先輩?』

いつの間にか、そう言ってた。

「……うんッ」

先輩は優しそうに笑った。

『生徒会長…でしたよね?』

「うんッ!」

先輩はさっきより、可愛く笑った。

古泉佑麻(こいずみゆうま)先輩…。

中2の頃、私が生徒会の書記になったとき、生徒会長だった古泉先輩は色んなことを教えてくれたんだ…。

…懐かしいなっ。

「久しぶり!北川花南さん。覚えてたんだぁ♪」

思い出に浸っていると、

「ちょっと…、あのネクタイ2年?」

「なに佑麻に近づいてんの?」

「佑麻の知り合い?」

さっきの3人の女子軍は私に向かって聞こえる声で、そう陰口を言う。

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