『狂っていたのは、僕だった』〜くる僕〜
《晴side》
ここはどこだ
真っ暗で
静かな部屋だ
俺は、何があったんだ…?
そのとき、口に触れた
『んっ…ん…?!…』
誰だよ
なんだよ、これ
俺は頭が真っ白だった
でもわかったのは
相手が男だということだった
美咲は…?!
悠は…?
そう投げかけても何も答えない
恐怖
怒り
いろんな物が俺の中にあって
考えることができなかった
ただ、相手に問い詰めるだけだった
「うるさいから、黙ってくれないかな?」
俺は言葉を失った
悠の声だったから
聞き間違えたのかもしれない
そう思いたかった
「それとも、またキスしてほしいの?」
俺は胸の奥深くに
思い切りナイフを刺された
そんな気持ちで吐き気がした
俺の目の前には
悠 がいる