『狂っていたのは、僕だった』〜くる僕〜


僕の名前は浅野 悠《あさの ゆう》



高校1年


これといった長所もなく



普通に育ってきた




僕には兄弟がいる




浅野 晴《あさの はる》



同じ高校に通う

高校3年


サッカー部キャプテンで

運動も勉強もできる



容姿も綺麗で



常に女の子がまとわりついてる




兄さんは優しくて、人思いで




完璧すぎるくらい





だから


僕にとっては


兄弟という関係は憎かったよ






完璧な兄さんに嫉妬したわけではなく




完璧な兄さんを手に入れたかったから






僕は兄さんを愛している





僕だけが知っている




僕しか兄さんを愛することは許されない






僕には兄さんしかいない






そう、いないんだ





いつからだろうか


こんなこと思い始めたのは



ふと、思い返しても




思い出せない








『悠…?どした?起きてるかー?』




そう言って僕の顔を覗き込む兄さん






朝食のまっ最中だった





「ううん、なんでもないよ、」






兄さん




兄さんのこと考えると



苦しくて



もどかしくて







今にも壊してやりたくなるよ



でもそんなわけにはいかないからね







少しくらい遊ばせて




見せてよ



兄さんの可愛い顔




《ガシャンッ》




『うわっっ、悠、まじかよ…うぅ』





僕はわざと醤油をこぼした




兄さんの制服がしみていく





その肌に張り付く






僕の欲望に侵されていく兄さんが


また綺麗に見えた






『風呂入ってくるか…もーちゃんと目ぇ覚ませよ〜』






こんなことしても



ニコニコした顔の兄さん





シャツを脱ぎ


シャワーを浴びにいった






僕は兄さんが愛しくて






シャツを抱きしめて







匂いを確かめながら



そっと


静かに



自慰をした










「…洗わなくちゃ」





僕は兄さんに欲情していた





太陽が

その歪んだ行為を照らすのを




僕は無視した





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