君に向かって、僕は叫ぶ。
9:握り返すその手は。
「ハァ...ハァ...っ...!」
優雨の遊びに行った日から、1週間経った今日。
優雨が"突然倒れた"と、沙紀さんから連絡が入った。
僕は美咲に知らせ、病院に向かって走っていた。
あの不安は、やっぱり間違っていなかったんだ。
それにこの1週間、優雨は少し元気がないように見えた。
でも、まさかこんな形になるなんて...。
力になりたいと望みながら、大事な時に気付いてあげられなかった。
僕は、なんて情けない奴なんだ...!
「優雨....!」
僕はもつれそうになる足を必死に動かした。