君に向かって、僕は叫ぶ。
それから毎日僕は、優雨のお見舞いに行った。

優雨の顔が見たくて、話がしたくて、毎日毎日。

だけどそのある日、いつものように病室に入ると、優雨のベッドはもぬけの殻だった。

「優雨っ!?」

病室を飛び出して、近くにいた看護師に聞く。

「すいませんっ宮下優雨って今どこにいるか分かりますかっ!?病室にいないんですが...!」

焦る僕とは裏腹に、看護師さんはニッコリ笑うと、優雨の居場所を教えてくれた。

その場所とは...。

「宮下さん、いい調子!ゆっくりゆっくり!」

「...はいっ...!頑張りますっ!」

リハビリ室だった。

もう動かないと言われたはずの優雨の足は、ふらついているけれど、確実に一歩一歩前へ動いていた。

「うわぁっ!!...と...」

「あ、危なっ!!」

思わず声が出てしまったけど、優雨は転びそうになりながらリハビリを続けている。

そんな優雨の背中は、今までで一番強く、輝いていた。
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