君に向かって、僕は叫ぶ。

あの事故から何日経ったんだろう。

数えていないから見当もつかない。

でも分かることは、僕の世界は変わってしまったということ。

その証拠に、どこを探しても家族はどこにもいないんだ。


お医者さんから聞いたことだけど、母さんたちの葬式は、母さんの弟さんたちが代わりにやってくれたらしい。

僕も来るように言われたけど、行く気になれなかった。

まだ実感が湧かない。

頭で分かっていても、体がまるでついていかない。

時々、みんなの笑い声が聞こえる気だってする。

そんなことあるはずないことくらい、自分が一番分かっているはずなのに。



あの夢を見てから、すっかり眠るのが怖くなった。

思い出すことが、向き合うことが怖くて、逃げたいと思う。

だからなのかな。

空を見るたび、

「死んでしまおうかな」って、考えるのは。
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