君色に染まる恋


「ねぇ、明を色に例えると何色だと思う?」

「…? 何よ急に…?」



私の意味の分からない質問に首を傾げながら問いかけてくる。



「私、勉強は出来ないけど、色々なことに興味があって調べたりしてるんだ。それでね、色にも沢山の意味があるの」

「………明くんは…黄色…」

「黄色、かぁ…」

「明原さんは何色だと思うの?」



彼女の問いに私は少し首を捻らせた後、



「チタニウムホワイト」

「ち、チタ…?? 白……?」

「白に黄色味がかってて、着色力が強すぎてどんな色も染めちゃう色だよ」

「……着色力が強すぎる、ね」



納得したようにそう呟くと彼女は言った。



「明くんはきっと、あなたをそんな風に思ってると思う」



……? 私をそんな風に……? どういう意味?


そう聞く前に、「叩いてごめんなさい」そう言って帰って行った。


私は何も言えないまま最後の言葉の意味を1人悶々と考える。


本当にどういう意味なんだろう…。明は私をどう思ってるの――?


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