君色に染まる恋
もう疲れた…。
何度そう思ったかな。
それでも私がここにいる理由はちゃんとある。
屋上の扉を数秒見つめてドアノブに手を掛けてみる。
「開いてるわけなっ、え!?」
思いもしなかった現状に思わず声が漏れた。
だって、いつもなら開いてないはず…。
どういう事…?
不思議に思いながら好奇心には勝てないのが人間というもの。
開け放った屋上から見えたのは壮大な青。
驚きながらも優越感に浸る。
「初めて来た……」
「そりゃ初めてだろうな」
「!?」
独り言に返ってきた言葉に驚いて後ろを勢いよく振り向いた。
先生なのか生徒なのか確認する余裕もない。
「っ、なん…で……」