君色に染まる恋
クラスも名前も分からない。
だけど好きだと思った。
確信してしまった。
それから1ヶ月半後、私と明は屋上で再び出会ったんだ――…。
「あの日から俺、紅の事だけ見てきた」
明の口から紡がれる言葉はどれもこれも魔法のようにキラキラしてる。
目に見えない言葉でさえ輝いてるように感じるんだから、明はやっぱり魔法使いだね。
「桜の木に見惚れてる紅が綺麗で、多分、一目惚れなんだよなー…」
「わ、私だって!桜より明に見惚れてたもん…!」
「えっ……それって…」
「え?あっ、だから、そのっ!」
私、まだちゃんと好きだって言葉にしてない!
明。
そう口にする前に、明の腕に閉じ込められる。
「紅……俺のこと好きなの…?」
「〜〜っ!」
「俺、まだ紅の口から聞いてない」