君色に染まる恋
首を傾げる私に明はもじもじしながら恥ずかしそうに答える。
「な、なんか……声が…違った………」
「声?」
「なんか…色っぽくて……ドキッとした…」
「――っ!!」
何を言ってるんだろう…。思わず私までドキッとしちゃったけど、よくよく考えれば意味分かんないし!
声なんてそうそう変わるわけないじゃん! 私これでも女だよ!?
女はそうそう声変わりしないんだよ!?
慌てて声にならない私は、口をもご付かせるだけで何も言えない。
「……明のバカっ…」
「っな!」
意味の分からない八つ当たりをする私に明までしどろもどろ。
だけどそれはだんだんと可笑しくなって。
私は明を見ながら声を出して笑った。
久しぶりに心から笑ってる気がするな…なんて思いながら。