君色に染まる恋
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―――明原 紅。
それが私の名前。
大好きな両親が付けてくれた私の名前。
……だけど、どうしても胸を張って自分の名前を言えない。
自分で自分を暗いだなんて思ったことはなかったけど、高校に入ってすごく感じた差。
今まで一度も染めたことのない長い黒髪。化粧なんてパウダーとリップくらい。
きっとそれが、私がこうして1人な理由のひとつ。
小学生の頃、お母さんが話くれた私の名前の由来。
「紅、紅の名前はお父さんが考えたのよ」
「そうなの?」
「女の子だって分かった時、本当に一生懸命考えてたんだから」
私をお腹に授かった時のことを思い出してるのか、ふふっと笑いながら話してたお母さん。
「紅って言葉にはね、艶やか、花のような女性、縁起が良いって意味があるのよ」
「あ…でや…か……?」