泡沫に沈み、揺らぐ夢
遠退く泡を何とか掴もうと藻掻くと、淡青色の物体が視界に入った。
(…………これ、は……)
その物体が自分の一部だと理解するのに時間が掛かった。
他のところにも目をやると、全身が淡青色に染められ染まった部分の感覚がないことに気付く。
(……一体、・・・此処はなんだろう……)
気付けば気泡のような泡はぶくぶくと淡青色の周りを包み込み、橙の雫が再び此方に近付いていた。
橙の光は輪郭を変えながら少しずつその全貌を見せる。
『……ねぇ。……の……』
光の中にいる人達は先程と同じように口を開閉させ、一様に此方を見ている。
(何を話しているんだ……)
何かを嘆くような視線はもう一生その対象に会うことがないような、今は亡い人に対する感情が宿っていた。