Way to happiness
妄想中に予約してしまった美容院

ドンヨリした気持ちのまま向かう

行きつけ…正しくは昔は行きつけだった美容院に入る

「久しぶりです!紗都さん!誕生日じゃないのに
予約入ってるからびっくりしましたよ~」
「急にごめんね~気分転換したくて。この際、
イメチェンしようかなぁ・・・」

週刊誌やヘアカタログをパラパラめくりながら話してると

週刊誌の記事に

「熟年不倫増加!」の文字

~主婦の不倫が増えている!~

不倫してる主婦の一例
●新しい服が増え、髪型まで今までの雰囲気と違う

・・・ぎくっ
違うわよ…違う…

あんな若造に流されたりしない…

「紗都さん?どうします?」
「ぁ…えっと…こんな感じどう?」

目の前に広がってる雑誌に写る女優さんを指差す

「あ~、この女優さん、前から紗都さんに似てるなぁって
みんなで話してたんですよ。似合いますよ。」
「やだ~私、こんなに綺麗じゃないわよ~」
「紗都さん綺麗ですよ~でも、この髪型、結構切りますよ?
大丈夫ですか?」
「うん、この際ばっさりいって。」

…めちゃめちゃ綺麗ですよ・・・

神野の言葉が頭をよぎる

あいつの為じゃないし!!!!

もんもんとしながら時間が過ぎていく…

「はい、完成~~♪」
ふと顔をあげると
鏡の中にはばっさりいかれた紗都・・・

「思ったよりばっさり(笑)誰も私だって気づかないかもね」
「だいぶいきましたからね~スカウトされたりして(笑)」
「それはないわ~」

笑いあいながら店を出た

新しい服は明日かな・・・

なんてウィンドウショッピングしながら家に向かう

店のガラスに写りこんだカップルに目をやる

え…

まさか…




嘘でしょ・・・


隣の人は誰?




壱弥・・・

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