Way to happiness
振り返り、道路の向こう側を見ると

清楚めのワンピースを着た綺麗な女の人と笑い合いながら歩いている壱弥

なんで・・・

その人はだれ?

壱弥が紗都の方を見る

目が合った気がした

ふっと顔をそらした壱弥を見て涙がこぼれる

やだ…今日はよく泣く日だな…

友達かもしれないじゃない…

京香の仲間かもしれないじゃない…
それはそれで問題だけど…

見間違いかも…

そう、見間違いかも!本物は家にいるかも!

あわててバックからスマホを取り出しLINEする

”今帰るよ~なんか買ってくものある~?”

ピピピピ…

LINE着信音…

お願い…家にいて…

”ちょっと用事あって出かけてるから晩御飯いらない”

……なんで・・・

ずっと自分に手抜いてたから?

ブヨブヨな私なんていらなかったの?

そんな清楚な感じが好みだったの?

さっき、気づいたんだよ?

自分の事も頑張ろうって・・・

頑張ろうって・・・

思ったのに・・・



どこを歩いたかわからないまま家に着く

ぼーっとしながら李都と小都の晩御飯を作り

リビングのソファーに座る

棚に飾った家族写真達が目に入る…


幸せだと思っていたのは私だけだった?

壱弥…

あなたは幸せじゃなかった?

紗都は立ち上がると着替えて外に出た

走って

走って

走った先に

見えたドア…

走った勢いで飛び込む

「琥太郎…何も言わずに呑ませて…」
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