たいせつなもの
「……ぃ、 おーい!
結衣?」
「へっ!?
な、なに?」
いきなり遠くの方から走りながら呼ばれた。
しかも明日香だけじゃなくて、バスケ部の部員もみんな来た。
「あのさー、ゆい。
毎日私の帰り待ってるの退屈じゃない?」
え…
一緒に帰るの嫌になっちゃったのかな…?
「ううん、そんな事ないけど…
迷惑だっ…た?」
恐る恐る聞いてみた。
するとみんなニコニコしながらこっちを見て
「そうじゃなくてー!
結衣、暇だったらバスケ部のマネージャーとかやらないかなーって思って。
マネージャー今紗葵ちゃんだけになっちゃったしさー!」
今のバスケ部には3年生が抜けたから一年生のマネージャーの紗葵ちゃんだけしかいないみたいだ。
でも…私なんかでいいのかな…
迷惑じゃないのかな…?
「え…でも…
いいの?」
「もちろん!」
みんなが口々に喜んでいる。
「じゃあ…
えーっと…
よろしくお願いします!」
私はバスケ部のマネージャーになってしまった。
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