たいせつなもの
プルプル…
「はい、橋本です。」
ワンコールで出た。
「あ、あの、結衣です。
蓮先生、紗葵ちゃんが…紗葵ちゃん…」
私はまだ頭の中はパニックで明日香みたいに冷静になれないでいた。
「結衣、落ち着いて、深呼吸。
結衣まで喘息でちゃうよ?
紗葵ちゃんがどうしたの?」
「結衣ちゃんが倒れちゃって、どうしよう。
体がすごく熱いの。
明日香が熱中症だと思うって言ってるんだけど、どうしたらいい?」
そう伝えるので精一杯だった。
「とりあえず、救急車呼んでうちに運んで?
多分明日香ちゃんの言う通りだから、落ち着いて一緒に乗ってきて。
結衣、大丈夫だから。
落ち着いてやれば大丈夫。
待ってるね。」
「うん、わかった、やってみる。」
救急車を呼び、先生がいる病院に連れていってもらえるように伝えた。
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