たいせつなもの
結衣の事は小さい時から知っていた。
結衣は自分の事知らなかったけれど。
結衣の両親と自分の両親は医者の同僚だ。
そして結衣が小さい頃は自分のお父さんが結衣の主治医だった。
病院に遊びに来た時なんかに何度も見たことがあった。
だからほんとは入学式の時結衣が喘息だって知っていた。
結衣は苦しい時、苦しいって自分から言わない。
心ではいっぱい叫んでるくせに自分の気持ちは全然言わなくてなんだか、自分を見てるようだった。
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