たいせつなもの
ガラッ
「結衣!!
ゆっくり呼吸!
すーはすーはだよ!
吸入しようね。」
薄い意識の中に飛び込んで来たのはやっぱり蓮先生。
ゴホッゴホッ
スーゴホッ…ゴホッ…ハー
苦手な吸入を吸うこと30分後、やっとおさまってきた。
「治まってきたね。
やっぱり発作止め入れとくね。」
先生は入れないって言ってた発作止めとカルテを取りに行っていたのだ。
「ごめんなさい…。」
申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「ん?大丈夫だよ。
結衣は悪くないじゃん。
俺こそごめんな。
一人にして。」
先生の心はぽかぽかしてて
あったかい。