禁断ノ恋


紅蓮は、今何が起こっているのか分からなくなった。



裏切られたとしても、自分のこの手で妹を殺すなど…紅蓮は受け入れなかった。



「でも…きっと何か救う方法があるはずだ…。俺は…紅蘭を殺せない!」

「…! 何…⁉︎」

「紅蓮…! 何を言っているの⁉︎ 紅蘭は私たちを裏切ったのよ⁉︎ 救えるわけないじゃない! 堕ちてしまった妖怪なんて…」

「__ふざけんな!」



辺りが静かになる。

風が吹いている音しか聞こえない。


「あいつは裏切った…許されないことだ! でも…俺たちは、一緒にいた仲間だろ…? そんなきっぱりと見捨てていいのかよ! 紅蘭が何をしようと、あいつは俺の妹だ! たった一人の…家族だから…!」



紅蓮は漆黒の羽をバサリ、と広げ、飛び去っていった__。
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