Last present ~夢を繋いで~ ※Episode2&3追加5.30
「俺はいいです。今からK市まで帰らないと行けないし、
母ちゃんが、多分作ってると思うんで。
遅くまで有難うございました」
ゆっくりとお辞儀をした後、俺は史也の自宅を後にした。
そのまま最寄り駅を目指す。
げっ、レッスン時間大幅に越えて21時って。
慌てて、鞄の中に突っ込んであった
携帯で自宅に電話をして、今まで、奏音の憧れの奴の家で
レッスンして貰ってたことを告げた。
父ちゃんが帰ってきてるから駅まで迎えに行かせるよって
母ちゃんが言った通り、俺が最寄り駅に付いた時には、
父ちゃんの車がロータリーに停車していた。
「ただいま」
「あぁ。
初日から、ハードだな」
「俺……入学断られるところだった。
けど史也が助けてくれた。
せっかくのチャンス貰ったんなら、
貪欲に吸収してやるだけだよ」
そう……。
今は、まだ未熟でも
俺はアイツを越えてやる。
プリンセスを追いかけるってのは、
何処までも、マジにならなきゃ
やってられないんだ。
待ってろよ、奏音。
すぐにお前が居る場所まで、
辿りついてやるから。