Last present ~夢を繋いで~ ※Episode2&3追加5.30
「妹?」
「あぁ、俺には妹が出来るはずだった。
でもその子は生まれることは叶わなかった。
7か月で母の体内で亡くなった。
死産だったんだ。
生まれてたらちょうど奏音や秋弦と同い年だよ。
だからかな……少し夢を見せて貰ったよ。
妹と一緒に過ごす、そんな夢を。
そんな兄妹ごっこも、もう終わりだけどな。
俺には、やるべき未来があるから」
そう言うと、史也はまた
机に向かって、ペンを黙々と動かしていく。
そんなアイツらの邪魔はしたくないから、
俺は、史也のマンションを後にした。
セミファイナル。
前回、落選したこのセミファイナルを通過したら
俺のありのままの気持ち、本気で伝えていいか?
好きって……伝えていいか?
史也にお前が気持ちを伝えられるまで、
返事は待ってもいいから……。
アイツに振られたお前を
抱きしめて慰めてもいい。
アイツから解き放たれた
お前を今度は俺が包み込んでもいいか?
ずっと内に秘め続けた
この想いと共に……。
グランプリには、
俺の全てを込めて、
お前にLove Songを送るから。
そんな願いを胸いっぱいに抱きしめて
俺は、セミファイナルの準備へと没頭した。