Last present ~夢を繋いで~ ※Episode2&3追加5.30
「いきなり言われて、
お前が戸惑ってるのも知ってる。
だから俺は待つよ。
待つけど……ファイナルで、
俺はお前の為に作った曲を演奏する。
だからちゃんと聞け。
それだけだ」
それだけだって……
偉そうな口調でいいながら、
かなり照れてるのがわかる秋弦の奴。
だけど……秋弦、
私も今は何も言えない。
私は……ファイナルに勝手、
史也くんに告白するって決めてるから。
秋弦の気持ちを知りながらも、
何も行動出来ないまま、
ただ私たちはお互いの練習に没頭した。
12月になって、クリスマスが目前になった頃
ファイナル当日がやってきた。
5人の演奏者が、
それぞれのパフォーマンスをアピールしながら
ステージほ演奏していく。
そのコンクールで
グランプリを納めることが出来た。
念願のグランプリ。
秋弦は、3位入選って言う結果になったけど
それでも……凄い演奏には違いなかった。
グランプリのトロフィーを手にして、
私は楽屋へと戻る。
私の携帯で、
トロフィーと一緒にピースしてる写真と共に
史也くんへと1ヶ月ぶりのメールした。
*
ファイナル、グランプリに選ばれました。
史也くんの曲が、
私の背中を押してくれた。
伝えたいことがあるので、
良かったら、今晩、時間を頂けませんか?
太田先生の教室の、近所の公園でいいので
逢えませんか?
奏音
*
送信。
暫くすると、
史也くんからの着信が入る。
「もしもし」
「奏音、グランプリおめでとう。
いいよ、俺の方も推薦の枠が手に入ったらからね。
公園に行くよ」
そう言って、史也くんは電話を切った。