シンデレラの結末

*****

「あ、あの…近藤くんっ!」

見かけた近藤にすかさず声を掛ける。

「え?」

ぽかんと口が空いた近藤。
これは傑作です。

「と、突然すぎて驚かしちゃったよね…」
「いや…大丈夫だけど…」

照れてたりするんだろうか(笑)

「私、四組の、チアガールやります!頑張るので見ててください!!」

言い逃げしてやった!
近藤の間抜け顔、一生忘れません!!!!!

*****Side Hibiki Kondo

「私、四組の、チアガールやります!頑張るので見ててください!!」

走り去っていく後ろ姿。
俺は即座に手をつかむ。

「えっ。」

掴まれると思っていなかったのであろう驚いた声と驚いた顔。

「こんなかわいい子は初めて見たな。応援してるよ、タ・ケ・ちゃん❤」
「え。」
「だまされるとでも思ったか?俺の目はごまかせないぞ。」
「……さすが女ったらし。」


*****Side Yuuki Ogasawara

タケちゃんと近藤くんの会話を目撃。
近藤くん、なんでわかったんだろう。
タケちゃんの女装は、前も見たことあるけど、本当に可愛い。
ちゃんと女の子みたいなのに。

近藤くんはそれほど女の子好きってことか。

「優生ちゃん!」
「な、に?」
「チア姿かわいいね!いっぱい写真とっとこう。」

近藤くんに呼ばれて撮影会が始まる。

中学の頃はこうやって友達とたくさん写真を撮ったりした。
今では、そうする友達もいないから嬉しかったりする。

*****

校庭に出て順番待ちをする。
今が3番目だから、次は私たち。

3年2組のパフォーマンスが終わる。

あー緊張してきた。
自分たちの番。

「続きまして、1年4組です。」

アナウンスが流れてタケちゃんがみんなに準備できた?と声を掛け始める。

「頑張ろうな!!……行くわよ!!!」

タケちゃんのこの合図でみんなが入場する。
本来行くぞー!!!などの熱い掛け声もチアガールということで締まりのない女言葉で始まる。

遅れじと、私もみんな同様、自分の位置まで走っていく。
間違えませんように。

曲が流れだし、みんなで踊り始める。

*****Side Hibiki Kondo

4組の出し物が始まる。
あ、優生ちゃん発見。
タケは…いた。

確かに女装したタケは可愛かった。
…でも細いわりに筋肉はあるからな。

俺の目は絶対にごまかせない。

*****
< 5 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop