シンデレラの結末
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「あ、あの…近藤くんっ!」
見かけた近藤にすかさず声を掛ける。
「え?」
ぽかんと口が空いた近藤。
これは傑作です。
「と、突然すぎて驚かしちゃったよね…」
「いや…大丈夫だけど…」
照れてたりするんだろうか(笑)
「私、四組の、チアガールやります!頑張るので見ててください!!」
言い逃げしてやった!
近藤の間抜け顔、一生忘れません!!!!!
*****Side Hibiki Kondo
「私、四組の、チアガールやります!頑張るので見ててください!!」
走り去っていく後ろ姿。
俺は即座に手をつかむ。
「えっ。」
掴まれると思っていなかったのであろう驚いた声と驚いた顔。
「こんなかわいい子は初めて見たな。応援してるよ、タ・ケ・ちゃん❤」
「え。」
「だまされるとでも思ったか?俺の目はごまかせないぞ。」
「……さすが女ったらし。」
*****Side Yuuki Ogasawara
タケちゃんと近藤くんの会話を目撃。
近藤くん、なんでわかったんだろう。
タケちゃんの女装は、前も見たことあるけど、本当に可愛い。
ちゃんと女の子みたいなのに。
近藤くんはそれほど女の子好きってことか。
「優生ちゃん!」
「な、に?」
「チア姿かわいいね!いっぱい写真とっとこう。」
近藤くんに呼ばれて撮影会が始まる。
中学の頃はこうやって友達とたくさん写真を撮ったりした。
今では、そうする友達もいないから嬉しかったりする。
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校庭に出て順番待ちをする。
今が3番目だから、次は私たち。
3年2組のパフォーマンスが終わる。
あー緊張してきた。
自分たちの番。
「続きまして、1年4組です。」
アナウンスが流れてタケちゃんがみんなに準備できた?と声を掛け始める。
「頑張ろうな!!……行くわよ!!!」
タケちゃんのこの合図でみんなが入場する。
本来行くぞー!!!などの熱い掛け声もチアガールということで締まりのない女言葉で始まる。
遅れじと、私もみんな同様、自分の位置まで走っていく。
間違えませんように。
曲が流れだし、みんなで踊り始める。
*****Side Hibiki Kondo
4組の出し物が始まる。
あ、優生ちゃん発見。
タケは…いた。
確かに女装したタケは可愛かった。
…でも細いわりに筋肉はあるからな。
俺の目は絶対にごまかせない。
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