パパは女好き





それから、一週間が経ち……

柳沢さんは、未だに豊の家に居候していた



まあ、私としては超嬉しいので何も言わない










『愛音ー!
次、移動だから早く行こー』



「うん!」










私は、次の授業が別の教室だったので
友達と一緒に移動した



廊下を歩いていたら、友達が私の肩を叩いて小さな声で……










『ね、ねぇ、愛音……
あの子確か、豊が最近まで遊んでた子じゃない?』




「えっ……?」










そう言ってきた


私は、前を歩いてくる子を見ると……

確かに、豊が最近まで一緒に遊んでいた子だった










確か、名前は……

由奈…ちゃん?











由奈ちゃんも私に気づくとニコリと微笑んだ










な、何!?










私は由奈ちゃんの笑みが怖くなり

前から歩いてくる由奈ちゃんに恐怖した











豊が遊ぶ女の子たちはみんな、私に敵意を表していた

私が豊の彼女だからだ




その中で、私に笑顔を向ける子は大抵

豊をあなたから取ってあげたよって感じの笑みを浮かべていたのだが……




今、目の前にいる由奈ちゃんは……

それとは別に、嫌な笑みを浮かべてはいなかった



だから余計怖かった

何を企んでいるのか…と……











『愛音先輩!』



「な、何…?」











由奈ちゃんは、ニコニコと私に声をかけてきた











『お互い女好きの恋人をもつと大変ですよねー』



「…………?……え?」












由奈ちゃんは、そう言うと

私から離れて行った










『えっ!?愛音!今のどういうこと!?
もしかして、あの子……

豊の第二の恋人になったってことなの!?』




「…………わ、私にもよく分からない…」










由奈ちゃんが言った意味が分からず

私はただ、混乱していた










友達の言うとおり……


豊の第二の恋人になったってこと!?




もぉ!!どういうことなのー!?







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