パパは女好き
『なに君。この子の彼氏?』
「……………」
男は、自分の手を掴んでいる柳沢さんを見て
夢ちゃんの彼氏か?と尋ねていた
柳沢さんは、そんな男の言葉に黙って
夢ちゃんをジーと見つめているだけだった
「聖司。否定しろよな…」
「んー。彼氏?彼氏か………
まあ、夢ちゃんなら彼氏になってあげてもいいけどね」
「はあ!?ふざけんな!
うちの可愛い夢をお前なんかの彼氏にさせるわけねぇだろ!!」
「えー。豊が決めることじゃないだろー?
夢ちゃんは俺の彼女になりたいー?」
柳沢さんは、夢ちゃんにニコッと微笑み言うと……
夢ちゃんは柳沢さんの顔を見つめ、柳沢さんの指をぎゅっと掴んだ
「ほら、見なよ。豊
夢ちゃん俺の彼女になりたいってー」
「ゆ、夢っ…!!
違う!絶対認めねぇぞ!!
夢には彼氏なんてもんはいらねぇ!!
ずっと俺の側においておくんだ!!」
「お父さん……
それはないよ。男の束縛は見苦しいって何度も言ってるでしょ?」
「てめぇにお父さんなんて言われたくねぇって言ってんだろ!!」
あー、もう……
またケンカが始まったよ……
『えー、ズルいズルい!
俺も彼氏になりた〜い!!
夢ちゃんだっけ?
俺も夢ちゃんの彼氏にしてよ〜』
男は夢ちゃんに近づき、夢ちゃんの手を優しく握ると……
夢ちゃんは、男を見つめ
柳沢さんと同じで指をぎゅっと掴んでいた
『うわっ!本当に!?やった〜!!
夢ちゃんの彼氏になれた〜』
「「はあ!?」」
豊と柳沢さんは、男の言葉に驚き夢ちゃんを見ると
男の指を掴んでいるのを見て言い争いをすぐに止め、男から夢ちゃんを遠ざけた
「ゆ、夢が……っ!
こ、こんな男まで彼氏にさせるなんて……っ!!
うわぁーーー!!!
俺のせい!?俺の教育が間違っていたのか!?」
「二股?
あのさー、夢ちゃん
俺、そういうの嫌いなんだよねー
俺のもんが俺以外に興味をもつとかさー
なめてんの?」
「ちょっ…、聖司!!
夢に怒ってんじゃねぇ!!
あと、てめぇ!なんなんだよ、さっきから!
夢や愛音に手を出しやがって!」
豊は、夢ちゃんを抱っこしながら私の腰を抱き男を睨んだ