劣等生の秘め事
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「会長!」
生徒会室のドアを勢いよく開けた。
奥の机で黙々と書類に向き合っている生徒会長こと冬野のもとへ歩み寄る。
他の生徒会メンバーはここにいない。
「部費の削減にご協力って、あれで納得するかっての!」
「部員1人の新聞部だぞ。部費もらえるだけ喜べ」
「10円で喜べるか! 今時の幼稚園児だって喜ばないよ!」
会長が思いっきり机を叩いた。
すごい音がして、生徒会室が静まり返る。
「ピーチクパーチクうっせぇ。こっちは2日前から徹夜で仕事してんだよ」
「そんなの知らないし…」
会長がギロッと睨んできた。
ひどく怖い。目だけで殺されそう。おそらく女子に向ける目じゃない。