劣等生の秘め事


「メグ、和田さんの手伝いするって張り切ってたよ。
あの子、先月のの校内新聞を読んで感激してたんだよ。自分がどれだけ憎まれようとも悪に屈しない君がヒーローに見えたみたい。
もしも和田さんが僕らを陥れる為に動いてて、その手伝いしてたなんて知ったら、メグは僕らを裏切ったと思って泣くだろうね」

イジメの現場を押さえ、加害者を停学に追い込んだ記事。
あの頃の私は自分の中の正義を信じて悪を暴いた。

「何が目的かはわからないけど、どんな目的だろうとみんなをーーいや、メグを悲しませるのは許さないからね。
これ以上続ける気なら僕も本気になるよ」

蝶野はそう言うと部室から出ていった。


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