silver wattle.゚・*.


「んー。どこから説明しようかな。」



先生は少し悩ましそうにそう言った。



「…俺も実は親が社長なんだ。」



「…!…それならなんで…家庭教師なんてやってるの?」



私は今まで親が偉い人なら子供は親の言いなりにならなきゃいけないんだってそう思ってた。



サクだって大人になったらお父さんの仕事を手伝うんだってそう言ってた。



「俺の父さんは偉い人だけど、俺の意思を尊重してくれる人だった。千代子ちゃんには想像出来ないかもしれないけど子供が親の言いなりにならなければいけないなんてそんなことはないんだ。」



親の言いなりにならなくてもいい。



その言葉は私の心を軽くしてくれた気がした。



「それから、どうして千代子ちゃんの家庭教師を引き受けたか…だよね?」



「うん。」



「俺は父さんを尊敬してる。父さんは困ってる人がいたら助けなさいとそう教えてくれた。千代子ちゃんは困っているんじゃないか?」



…私が困る…どうして。



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