silver wattle.゚・*.
第1章
真の友情~ゼラニウム~
高校2年の5月、転入したてのあたしはなかなかクラスに溶け込めずに、おぼつかない足取りで1人屋上へ向かった。
扉を開くと颯爽と春の風が入り込み、気持ちが良かった。
普段開いていないはずの屋上。
でも、その時は何故か鍵が開いていたのだ。
不思議には思いつつも、あたしはドアノブに手を掛け、吸い込まれるかのように屋上へ出た。