silver wattle.゚・*.


「はっきりさせないとってどーゆー意味だよ?」



サクは正真正銘の鈍感野郎ということについさっき気づいた。



サクの気持ちに気づかなかった私が言うのも可笑しいとは思うけど…。



でも、苺花には私みたいに辛い恋をして欲しくないから。



苺花は私の、大事な…大事な友達だから。


「サク!ちゃんと自分の気持ちと向き合って。さっき苺花の顔が頭に浮かんだんでしょ?
…それから、苺花の気持ちとちゃんと向き合って。」



私がそう言うと


「…俺の気持ちに苺花の気持ち…?…よく分かんないけど…うん。分かった。」



サクはよく分からないとは言いつつも、うんと素直にうなづいてくれた。



「で、千代は何するの…?」



私は……。



秋弥の笑顔が頭に浮かぶ。



「…私はしっかり振られてくる。…私のためにも、秋弥の為にも。」



前までの私なら、ここですぐ泣いてしまっていたと思う。


でも、苺花の気持ちを考えると涙は出なかった。


「それじゃあ、今日も途中解散かな?」



後ろで話を聞いていた泉舞はやれやれという素振りを見せながら、そう言った。



「…そうね。今日はもう帰りましょう?」




車に乗る時、泉舞が



「頑張れよ。」



と背中を押してくれた。



なんだかそれだけで少し気持ちが楽になった気がした。


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