silver wattle.゚・*.
「お嬢様、準備はよろしいですか?」
時計の針は午後2時半を指している。
「えぇ。…それより、ふみ、少し落ち着いたらどう?」
その日は珍しいことに、朝からふみの落ち着きがなかった。
「あ、すみません。」
ふみはぴたっとそこで足を止め、それでもまだそわそわしている。
それほど私のことを心配してくれてるんだなと思うと、なんだかすごく嬉しかった。
…ピンポーン
突然のチャイムに心臓が跳ねる。
「…千代子お嬢様、話は最後までしっかり聞くんですよ?いいですか?」
「え、えぇ。分かってるから出てきたらどう?」
ふみは私以上に緊張しているみたいで、なんだかふみが心配になってくる。
「あ、はい。それでは京極様をお連れ致しますね。」
ふみはそう言って部屋を出ていった。
胸に手を当てずとも、自分の鼓動が少しずつ早くなっていくのが分かった。
…ドクンドクン
緊張しすぎて胸が痛い。
足音が少しずつ近づいてくる。
そして、足音は私の部屋の前で止まり、
「千代子ちゃん?」
1週間ぶりの秋弥の声が聞こえた。