わたしの可愛い旦那様
「…ごめんね」
旦那様がクッキーを頬張りながらそう言った。
わたしは旦那様の頬についたクッキーを取りながら、どうして謝るのかを聞いた。
「せっかくの休みなのに、どこへも連れていってあげられなくって」
しょげた顔をした旦那様にわたしは慌てて首を振る。
旦那様のお仕事が大変なことは、わたしが一番良く知っていた。
「お仕事、忙しいんでしょう」
「うん、でも夕方にはなんとか終わると思う」
「だったら、お仕事が終わった後、この近くを散歩しませんか」
「いいね」
わたしの提案に旦那様が明るい顔をして頷いた。