わたしの可愛い旦那様

「羨ましいですねぇ」

「そうだな」

思いがけない言葉が、通り過ぎて行った二人からわたしと旦那様に降り注ぐ。

わたしと旦那様は同じタイミングで顔を見合わせた。

旦那様は照れたような表情をして、わたしを見ている。

まさか、向こうがわたしたちと同じことを考えているなんて思わなかったのだ。

端から見たら、わたしたちもあの夫婦のように見えているのだろうか。

だとしたら、凄く嬉しいことだ。



「…行こうか」

「ええ」

歩き出したわたしたちの後を夕日に伸びた二つの長い影が、いつまでもいつまでも付いてきた。



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