二重人格シンデレラ

すると、そう声を掛けられてしまった

どうしようかと思って周りを見るとウィル様と目が合った


「すみません、彼女は僕を待っていてくれたんです。」

「いえ、こちらこそすみません。ウィル王子。」


頭を下げて声を掛けてきた彼は去っていった

私はウィル様に向き直り礼をする


「ウィル様、ありがとうございます。」

「いや、君が困っていたように見えたから..」


そう言いながら、また目を逸らそうとする

ウィル様の顔を覗き込むとウィル様の顔が真っ赤になった


可愛い――男性をそんな風に思ったのは初めてで戸惑いが生まれた

そして、目が合う度に顔を赤くするウィル様を見てどこかくすぐったい気持ちを感じた
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