二重人格シンデレラ
城に着くと私は真っ先に自分の部屋に向かった


ドアを開けると懐かしい香りがした
ようやく帰ってきたという実感が沸いてくる


「ただいま、私の部屋。」


私が気に入っていたお母様の香水
お母様に頼み込んでもらったアロマ


そういう幼少期を思い出される香りが未だ、広がっていた


――コンコン


誰かが私の部屋のドアをノックした

出ると、使用人が言伝てを頼まれたようで事細かに聞かされた


使用人が帰ると私はクローゼットに飛び付いた

着れるドレスがあるかわからないけどとにかく急がなくてはいけない

そんな気がした


「あ、これなら着れる!」


そうして選んだドレスに着替えて私は広間へ急いだ
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