百鬼百光

門出




コンコンッ


「ふぅー・・・・」


静寂な空間に

ノック音と私のため息混じりの深呼吸だけが響いた



それは昼間のこと


私がよく好んで見る下界についての書物を


読み老けていた時、突然大婆様から



『話があるから後で部屋に来なさい』



と言われた時は心の臓が飛び出るほど驚いた




そして夕暮れ時にお伺いしようと決め


今に至る


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