先生と乙女座の恋★~秘密の恋事情~
見上げた先に見えた先生の表情は、
“笑顔”だった。
先………生…?
私は瞬きを繰り返し、先生に声を掛けようとした――
「せん――」
『廊下は寒いですから、中へ―』
私な声を遮り、
柔らかに告げる先生の声。
「……は、い」
小さく頷き、温かい室内へと先生に導かれ、中へと入っていった。
中は、コーヒーの香りと
先生と香りで溢れている。
昨日も来たというのに、少しの新鮮みがあり、私は何故かそれが心地よくてしかたがない。
『はい。』
あっ……
先生の手にはカップが二つ。
私は先生から片方のカップを受け取った。
『たまには息抜きも必要ですからね。』
先生は、優しく微笑みながら
そっと私の隣に座る。
私は……顔が熱くなる気がした。
そして先生の顔を見れなくなり、
俯きながら小さく、お礼を言った。