先生と乙女座の恋★~秘密の恋事情~
『寝癖ですか?』
先生は私の髪を指先で構う。
「………………」
『でも、あんまり目立たないから
大丈夫…――――櫻井…さん?』
「……………。」
私は無言で先生の言葉も聞かず俯いていた。
わたし……
なにか
―期待してた…。
先生の手が近づくにつれて
よけいにドキドキして
なにかあるんじゃないかって
求めていた。
その事実を考えるだけで…
「………ッ!!」
恥ずかしくて しかたない。
顔中が熱くなる
耳まで熱くなって
先生の顔が見れない。
下唇を軽く噛み、俯いた顔が上げられない。
頭の片隅で、私の名前を呼ぶ先生の声が聞こえるけど、今はそれに答えられるほどの余裕もない。
せめて、
この早い心臓の音が普通に戻るまで
せめて
この
恥ずかしさと、
顔の熱さが引くまでは
私は、当分
先生の顔なんて
見れそうになかった……