先生と乙女座の恋★~秘密の恋事情~
まあ実際のとこ……
「帰ってからやろー」
やる気なんてなかったりとかする…。
―――――
少し踏み潰した靴の後ろを直し、すっぽりと足を入れる。
先っぽが薄黒く汚れ、周りが所々擦れて削れている。
いつから履いてるっけ……この靴…?
そんなことをぼんやりと考えながら
腰を起こし、玄関のドアに手を掛けた。
「………………」
鎮まり、物音一つしない…
聞こえるのは自分の呼吸だけ、
慣れたことだけど、
それでも
変なカンジがする……
力がこもった。
そのままドアを勢いよく開け、外に出た。
戸を手で押さえたまま
「――いってきます。」
誰もいない家に向かって一言
そう呟き、私は
ゆっくりとドアを閉めていった…―――
こんなことを言ったのは
いつぶり?
今日言ったのは
多分……
ただの、気まぐれ……――。
そんな気分だった
だけのこと