先生と乙女座の恋★~秘密の恋事情~
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学校に着けば那恵が直ぐさまやってきた。
最近、私の顔を見るたび、いつも心配そうな表情を浮かべて近寄ってくる。
那恵は、本当に勘がいいね…
「おはよう、那恵」
私は、那恵に心配を掛けないよう笑顔を向ける。
だから、そんな顔しないで
私はちゃんと 笑えるから
「……那恵?」
ボーっと俯く那恵
視線の先を見れば…
「この袋がどうかした?」
那恵の視線は私の持つ紙袋に集まっていた。
「…今日、金曜日なのに荷物多いね…。」
「えっ、…あ、……うん。」
私は少し言葉を濁した。
そして、
「……今日、必要なものなんだ♪」
焦りを隠すように、笑顔をつくる。
いつの間にか握る手に力がこもった。