先生と乙女座の恋★~秘密の恋事情~


―――――――――


放課後……――


一日がすごく長く感じてしまった。


放課後、毎回のように私を家まで送ってくれる那恵

そんな那恵を今日は断って

私は一目散に

ある場所へと向かった―。


すれ違う生徒や先生の姿を横目に
私は足を進める。

まるで足が機械になってしまったかのように、迷いがない。


廊下を進み

階段をのぼり

やっとたどり着いた場所の周りには生徒一人の姿もなかった。

――ただ1人、自分を除いては…。


乱れた息を整え、軽く息を吸う。

最近来ていなかっただけなのに、まるで何年かぶりに訪れたかのようにここが
懐かしく感じてしまった。



プレートを見れば、


“化学準備室”

という文字が、くっきりと刻まれていた……。


心が、音をたてる……――



< 136 / 226 >

この作品をシェア

pagetop