先生と乙女座の恋★~秘密の恋事情~
連れていかれたのはキッチンだった。
近くにソファーやテーブル、テレビなどもある。程よくバランスのとれた場所で、今まで暗い所にいたせいか照明の電気の明るさが目にくる。
軽く目を伏せる。
『コーヒーと、紅茶。どっちがいいですか?』
先生は柔らかい言い方で、両手にカップを持ち、私に聞いてきた。
「…先生はコーヒーですか?」
『はい。』
「……じゃあ私もコーヒーで、」
先生はそれを聞くと『分かりました。』と奥でお湯を沸かしに行った。
私は時計の針の音が響く中、どうすればいいか分からなくて、辺りを軽く見回していた。
綺麗に並べられ、物は少ないけどその少なさがなんか先生らしいなぁって思った。
まだ新築なのか、床や物は、まだピカピカだった。
『足痛くなりますよ。そこのソファーにでも座っててください。』
先生は突然奥から顔を出し、側にあったソファーを指さした。
「あ、はいっ!」
いきなりの先生からの言葉に私は少しビックリしながらも、そのソファーの場所まで距離を縮め、少し遠慮がちに、ゆっくりとそのソファーに座った。