先生と乙女座の恋★~秘密の恋事情~
「…………私、
―家が嫌いなんです…、」
言葉を発し、静かに目をつぶる。
「人にとっては、家は“安心の場所、自分の帰る居場所”とか言う人もいると思います。
でも……、
私にとっては違うんです。」
「いつの日からか、家が怖くなった。
朝起きたって一人ぼっち、家に帰ったって一人ぼっち…
いつだって、一人なんです。」
私は眉を寄せ、顔を膝に近づける。
「物音しない部屋の中、静かすぎる家の中…
いつかは慣れるだろう、なんて昔は思っていました。
恐いと感じるのは自分が幼いからで、大きくなれば変わるんだって…
………でも、
現実は違う…っ、
私はあの空間、家の中にいるだけ弱くなる、孤独感や悲しみなんかをより実感してしまうんです… 」
抱えといる膝により力が加わる
――――ギュっ……
「――さびしくて、しかたないんです……っ、」