先生と乙女座の恋★~秘密の恋事情~
あ~ぁ、
足の動きを止め、私は辺りを見回す。
小さく首を左右に動かし、一点に目を向ける。
そして、そこへと足を進め、椅子に腰を下ろした。
はぁ~
軽く溜め息をつき、空を見上げた。
真っ暗だなぁ~、とそんなことを考えながら満月に目が留まった。
いつもなら気にもしないばすの月に今日は、何故か興味を抱いていた。
月の原理や理論なんて知らない
分かりたいとも思わない、
ただ単純に、見ていたくなっただけ―
騒がしい街とは反対に、静かに髪を靡(ナビ)かす心地よい風。
その風と共に心までも流してしまいたくなる…
穏やかな風に全てをあずけてしまいたくなる…