先生と乙女座の恋★~秘密の恋事情~

私はそっとカップに口を近づけ、コーヒーを口から流し入れる。

先生の家で飲んだのと同じ…
甘味のまったくない味
口の中いっぱいに広がる苦味

先生の…好きな味



『どうかしましたか?』



「へっ?」

突然声を掛けられ声が裏返る

恥ずっιι!
私は直ぐさま口に手をあてた。



『――…カワイイですね。』



っ!!!!

な、なななな…

「な、何言ってるんですかっ!!」

私は先生のいきなりの発言に驚き少し声を上げ、慌てて先生に背を向けた。


バカじゃないのあの教師!!

私は顔に手をあてて、必死に自分の顔を見られないよう隠した。


バカバカバカバカ――!!

何サラっと恥ずかしいこと言ってんのっ!

頭どうかしてるよっ!!


………………………………バカ、


「…………お世辞言ったって… 何も出ないんだから…」

ボソッと小さく呟いた


< 68 / 226 >

この作品をシェア

pagetop