先生と乙女座の恋★~秘密の恋事情~
『………………』
「………………」
『………………………――はぁ~』
先生は顔に手をあてながら、ため息をついてきた。
…―?
『アナタは相当の頑固者ですね。』
呆れ顔で言いながらも、先生の顔には笑みがあった。
私はその場で首を傾(カシ)げる。
先生はそんな私の顔をジーっと見つめ、頭を掻きながら“わかりました。”と、一言いった。
『アナタの…櫻井さんの好きなようにしてください。』
伏せがちだった頭を少し上げ、笑顔を向けてきた。
……―――――、――――――!
私はクルっと体を回し、先生に背を向ける。
「…あ、当たり前です…っ!」
少しの間を開け、私は早口で言葉を口にした。
そんな私に先生は、アナタらしいですね、と余計な一言を加え、座っていたイスから立つ。
『コーヒーのお代わりいりますか?』
「……………………い る、」
ぎこちない口調で返答した。
『分かりました』
先生は軽やかな動作で私のカップと自分のカップを持ち、奥の給湯室へと、向かっていった――――
…………――――ムカ つく…
なんか私一人…バカみたい
私は両手で顔を隠すように覆い
先生が遅く戻ってくることを願っていた―
熱くなった自分の顔の熱が引くのを 、
高鳴る心臓の音が落ちつくのを待ち、
自分の異変に、少しの違和感を 感じていた―――――……