先生と乙女座の恋★~秘密の恋事情~
心に募る不穏な陰
――――数時間前。
『はい、どうぞ』
ありがとうです、小さく言葉を返し先生の手からコーヒーの入ったカップを受けとった。
私にカップを渡すと、先生は自分のカップを片手に、再び机を前にイスに腰掛ける。
そしてまた…
静かな空気が二人っきりの部屋の空間に流れ出す―……
先生は机に目を向け、カリカリとペンを動かし、自分の世界へと入る。
初めは苦手だった この空気
息が詰まり 居心地が悪かった
でも…
今はそうでもナイ
別に嫌いでもないし むしろ好きに近いのかもしれない
穏やかな空気が 心地よい
先生と二人の空間が 胸をトキめかせる…
先生の姿を静かに見つめる
誰にも邪魔されない
口を挟まれない
心が 惹かれる …――