月夜の葉桜
「じゃあここで」
ようやく終わったよ…と安堵しながら新宿駅東口改札前で、先ほどまで居酒屋にいたメンバーに別れを告げる。
マナ以外はきっともう会うことはないだろうから決して「また」とは言わない。
というか、そもそも「また」や「今度」などと言った約束自体私は嫌いだ。
JR山手線の階段を登り、池袋方面へ向かう電車に乗る。
酔い覚ましに歩いても良かったなと、火照る頬に手を当てながら思う。
ビルビル看板ビル看板…
窓の外を見ながら、いつから次の約束が嫌いになったのかを思い出す。
嘘。思い出す暇さえないほど、忘れたこともないのだ。
「またね」と「今度」を繰り返した、淡い日々。
今から10年前のもう絶対に戻れない高校2年の夏のことを。
ようやく終わったよ…と安堵しながら新宿駅東口改札前で、先ほどまで居酒屋にいたメンバーに別れを告げる。
マナ以外はきっともう会うことはないだろうから決して「また」とは言わない。
というか、そもそも「また」や「今度」などと言った約束自体私は嫌いだ。
JR山手線の階段を登り、池袋方面へ向かう電車に乗る。
酔い覚ましに歩いても良かったなと、火照る頬に手を当てながら思う。
ビルビル看板ビル看板…
窓の外を見ながら、いつから次の約束が嫌いになったのかを思い出す。
嘘。思い出す暇さえないほど、忘れたこともないのだ。
「またね」と「今度」を繰り返した、淡い日々。
今から10年前のもう絶対に戻れない高校2年の夏のことを。