私立音木学園の事件簿
「っふぅー!」
私は読み終わった分厚い本をカウンターの上に置き、返却手続きを目の前においてあるパソコンで済ませる。
そこまでの一連の動作を終え、時計を見てみる。
「うわっ、もうこんな時間」
時計を見ると、部活動に所属している生徒達の下校時刻まであと30分ほどだった。
図書室を見ると、勉強でわいわいしていた生徒達ももういない。多分部活やら何やらに行ったのだろう。
「よし、きちんと戸締りして帰りますかっと」
よっこいしょ、と椅子から立ち上がる...と同時にスピーカー

―この学校の図書室には緊急用のために、とスピーカーが設置されているのだ(ほとんど使われることはないが)―

から、放送が流れた。よほどの事があったのだろう。
ザザザッと雑音がしたかと思うと、女生徒の声が聞こえてきた。
『校内に残っている生徒、先生方、もしいるのであれば、お客様も、大至急、体育館に集まってください。生徒は全校集会の体型に並び、いない人を学年主任の先生に伝えてください。』
プツッ。という音と共に女生徒の声は消えていった。
再び図書室には静けさが戻って来る。放送していた生徒からは、どこか焦りを感じたが、何かトラブルでもあったのだろうか。
私はパソコンの電源を切り、体育館に向かうことにした。

――――――――

??“ふふっ、楽しいことになりそうね”
??“くくっ、そうだね”
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