海月物語。

　いつの間にか、来海は眠っていた。海斗に借りた客室のベッドは寝心地抜群で、気持ちよく寝てしまった。来海がふと、目を覚ますと窓の外は、暗くなっていた。
　来海は、客間の部屋からこっそりと出てみた。暗い廊下を少し歩き、電気が点いている部屋を除く。
«キー‥‥»
ドアの音が鳴ってしまった。部屋にいた海斗は、ソファーの上でうたた寝していたが、その音のせいで起きた。
「あ、起きた？」
海斗は、頭をポリポリかく。
「トイレ‥」
来海が小さい声で言う。
「ああ、廊下出て左側。」
海斗は、ガスをつけた。来海は、トイレに入る。なんてことないトイレに、少し緊急を覚えた。トイレが終わりすっきりとした来海がリビングに戻ると、海斗は、服を渡してきた。
「風呂沸かしたから入っておいで。」
海斗から服を受け取り、来海はシャワーの音がなる方へ行った。脱衣場は広く、綺麗だ。風呂場に入ると、シャワーを出して置いてくれたお陰で、ひんやり感がなく、暖かい湯気で覆われていた。